まずはお酒と生活習慣病との間にどのような関係があるのかを説明していきます。アルコールともっとも関連の深い生活習慣病としては、メタボリックシンドロームが挙げられます。そのことは、健康日本21の活動を行っている厚生労働省も指摘している事実です。
1日のエタノール摂取量20 g超の飲酒者におけるメタボリックシンドローム(現行基準)有病率は,通常飲酒者よりも有意に高かった。
引用>>エピック・ジェイピー
エピック・ジェイピー 「エピック・ジェイピー」は、循環器疫学の情報サイトです。
このサイトによると、アルコールの摂取とメタボリックシンドロームには相関関係があると紹介しています。ではなぜアルコールが関係しているのかということですが、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などはアルコールが含むカロリーのために発症することがあるからです。
お酒に関しては特に肥満を招くことが多いので注意が必要となります。なぜなら、お酒には高カロリーで脂っこいおつまみが合いますし、お酒を飲むことにより食欲が増進するため普段よりも食べ過ぎてしまい、肥満の症状が進んでしまうからです。更に肥満が進むだけではなく、過剰なカロリー摂取により糖尿病のリスクも高まっていきます。また、高血圧症とアルコールも密接な関連があります。これは、飲酒を続けることで中性脂肪が増加してしまうためと考えられています。
お酒との付き合い方が健康的な人生を送れるかどうかに大きく関係していくということがおわかり頂けたでしょうか。それでは、どのようにお酒を楽しむようにすれば良いのか説明していきます。
まずは一日のアルコールの摂取量を考えることです。理想としては一日2ドリンクまでに抑えることです。わかりやすく言うと、純アルコール量ならば20g、日本酒であれば一合を指します。また、毎日お酒を飲むという人も要注意です。必ず週のどこかに休肝日を入れるようにしてください。もし可能なら週のうちに2日は休肝日にしたいところです。お酒好きな人には厳しい目安になるかもしれませんが、生活習慣病のリスクを低下させるためにできることから始めていきましょう。
上記のアルコール摂取の目安は、国民の健康向上に努める健康日本21が定めたものですから信頼性のある情報です。ですからメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病を防ぐために、自分の意思でお酒の量を調整していくことを心がけてください。
また、中にはどうしてもお酒を控えられないという人もいるでしょう。そういった人は知らないうちにアルコール依存症となっているかもしれませんので、専門の医院で治療を受ける必要があります。