先のページでも触れたように、健康日本21もその改善に努めてはいますが、残念ながら生活習慣病に苦しむ患者はどんどん増加しています。しかしこれは健康日本21の運動に問題があるのかというと、そうとも言い切れません。
その理由としては、生活習慣病と呼ばれる病気の多くは、食生活のあり方、運動不足、ストレス、そして喫煙や飲酒といったその人のライフスタイルのあり方が大きく関係しているからです。どれだけ健康日本21が生活習慣病の予防や改善に努めても国民の一人ひとりがライフスタイルを見直し、病気にならないための努力をしなくては十分な成果を生み出すことはできないのです。
まずは自分自身のライフスタイルのあり方について見直す必要があります。一言に生活習慣病の予防と言っても段階があります。自分自身で体調管理をしっかりと行い健康状態を維持する「1次予防」、そして病気の早期発見、早期治療に取り組む「2次予防」、適切なケアを受けながら進行を抑え、回復を目指す「3次予防」の3つですが、最近では1次予防に力を注ぐべきと言う意見が強まってきました。こうした背景もあり、ライフスタイルの見直し、改善を積極的に行うべきという風潮が生まれたのです。
ライフスタイルの改善、というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、積極的に取り組むべき課題は食生活、運動、休養、飲酒、喫煙の大きく5つになります。おそらく多くの人が、この5つのうちのどれかを蔑ろにした生活を送ってしまっているでしょう。そうした小さなことの積み重ねがいずれ深刻な生活習慣病を招くかもしれませんので、大きな問題にならないうちに改善を目指すべきです。
特に、健康診断で肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病のいずれかを指摘されたことのある人はすぐにでもライフスタイルの改善に努めるべきです。というのも、この4つは「死の四重奏」と呼ばれており、脳卒中や心臓病などの深刻な生活習慣病を招く要因と言われているからです。
ライフスタイル改善のために、抑えてほしいいくつかのポイントを紹介します。まず、BMIの数値を目標に適正体重を保つことを心がけましょう。次に、一日3食、栄養バランスの取れた食生活を送ることです。
また、体作りのためにも日頃から運動をするようにしてください。規則正しい生活を心がけ、しっかりと睡眠をとることも忘れてはいけません。喫煙や飲酒も節度を持ち、歯や口腔内も健康な状態を保つようにしましょう。